ベートーヴェン:悲愴・月光・熱情
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人気ランキング : 35,113位
定価 : ¥ 2,678
販売元 : ソニーミュージックエンタテインメント
発売日 : 1989-06-21 |
価格:¥ 2,410
納期:通常3〜4日以内に発送 |
「悲愴」というタイトルとはうらはらな乾いた感性が、グールドの持ち出してきたこの曲の解釈の核だ。冒頭に出てくるいくつかの和音からして、強調された低音の上に薄い音の層が乗っているような響き。どろどろとしたベートーヴェンが好きな人向きの演奏でないことはすでに明らかだ。そうした人々は、鼻にかかった甲高い声を連想させる軽めの音色にも不満を感じることだろう。しかし、おおげさでない演奏を求めるリスナーにとってみれば、この音色こそが好ましく感じられる。彼らなら、キリリと冷えた白ワイン、それも少しスモーキーで石の香りが混じった辛口タイプに似ているとでも言うだろう。 「月光」もまたドライな演奏である。第2楽章でのはねるようなリズム表現、大胆なテンポの動かし方などが興味深い。身軽で自由なベートーヴェンだ。以上2曲は、暗い部屋の中にいたベートーヴェンの曲を明るいところへ連れ出し、少しばかり運動をさせて健康増進のお手伝いをしてあげたような演奏といえるだろう。 しかし、最後の「熱情」だけは話が違う。ただでさえ想像力が豊か過ぎる人間に不安の種をこれでもかと吹き込み、憂鬱の極みに追い込んでしまったような演奏だ。まずは第1楽章の異常に遅いテンポ。重い足かせを引きずり、真っ暗闇の中を意味もなく歩き回っているといった風情だ。その抑圧的な気分は曲を通して続く。ちょっとグロテスクでもあるが、その分、前2曲の軽やかさが引き立ち、アルバムの構成上、おもしろい効果を上げている。(松本泰樹)
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熱情の第2楽章がすごいです。
普通6分ぐらいで弾くところを、
なんとその約2倍の11分もかけて弾いています。
逆に月光の第3楽章はかなり速く弾いたりと、
これではファンとそうでない人とで賛否が分かれるのも
無理はありません。
ファンの人が前衛的解釈と言い、
そうでない人が邪道と言うのもよくわかります。
いずれにしてもグールドの個性が炸裂していることは間違いありません。
三大ソナタに飽きたとか、
グールドの個性にふれたいというひとにおすすめです。
私はブレンデルやバックハウスが好きなのですが、
こんな不思議な演奏があってもいいと思うし、
これだけスタンダードをはずして、
自分の個性を主張をできるグールドはやっぱりすごいと思います
(わがままや作曲家に対する冒涜というのもわからなくはないが)。
その意味で星5つは妥当なのでは?
余談ですが、ブレンデルはグールドをきらっいるようです。
両方好きな私としては残念です。(しょうがないですけどね)
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本作は、モーツァルトを「長く生きすぎた」と断言し、ベートーヴェンも「その作品の多くを評価できない」とのたまうグールドのグールドらしい作品です。
そんなグールドですが、他者と一線を画す技術、構築力を有していることは言うまでもなく、だからこそ本作は価値が高いと言えるでしょう。
つまり、他のヴィルトオーソは皆作曲家を崇拝し、伝統的にベートーヴェン作品に求められる主観的な感情表現を表にしまっている中、技術的には(相対評価だが)20世紀最高レベルのピアニスト・グールドが、この様に作品を自立的な運動体として構築しなおしたことは、音楽史上にとって貴重な経験であるということです。
上のような理屈を抜きにしても、実際楽しめます。驚きます。
「えっ?こんな曲だっけ?」「あれっ、繰り返しは?」「早っ!」「おそっ!」
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怒りを通り越して、呆れてしまう録音です。ベートーヴェンに対する冒涜と受け取られても文句が言えないような録音です。かの天才ピアニストのクララ・シューマンが言った「作曲家への崇敬の無い演奏家など、偉大ではありえません。」という言葉が思い出されます。無駄に曲を歪めて演奏するのが前衛的な演奏だと思わないで頂きたい。こんな録音を誉めているのは一部のグールドファンだけであって、他の大勢の音楽愛好家は眉を顰めているのです。
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まず、月光の一楽章はかなり速いです。グールドを聴き慣れない方には、いくらか軽薄な演奏に聞こえるかもしれません。三楽章も異常に速く、評価が分かれるところでしょう。悲愴の一楽章は、低音の動きがよく出ていて、個人的には結構好きです。二楽章は特におすすめしたいです。聴いているとなんだか切なくなってきます。孤独だったグールドのさみしさが表れているのかな?と勝手に思っています。三楽章は軽妙なタッチで、ところどころ「悲愴」という感じのする部分も出てきますが、濃厚な表現が聴きたいという方には、まず合わないと思います。熱情は異常に遅いテンポで、「熱情」というには、ずいぶん冷めた感じのする演奏です。ほとんどの曲は、面白い演奏ではあるけれど、良い演奏といえるかは微妙です。変わった演奏が聴きたいという方にはお勧めしますが、純粋に「月光」、「悲愴」、「熱情」を聴きたいという方には、むしろケンプやバックハウスなどの演奏を聴いてほしいと思います。
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ベートーヴェンの3大ソナタ。グールドはこれらの曲があまりお好みではなかったらしく、何と言うか評価に苦しむ演奏が展開される。バッハで名演を見せるグールドだけに、音の構築力は見事なのだが、ベートーヴェンとはそれだけの音楽ではないはず。ベートーヴェン好きとしては、もっと音のドラマを前面に押し出して欲しいし、3大ソナタを聴く人はそこを期待してCDを購入するはず。
ところが、である。グールドと来たら、音のドラマなどにはまるで興味がないようだ。超高速の月光の第1楽章。あれじゃ「月光」じゃなく「レーザー光線」だ。ま、もっとも「月光」は後からついたタイトルだから、グールドにしてみれば「そんなの知ったことか」というところだろうけど。
対して「熱情」の第1楽章は、途!で一体どんな曲を聴いているのかわからなくなってしまうほどの超スローテンポ(信じがたい事に、演奏時間はグルダの倍以上!)。「ベートーヴェンの音楽が聴きたい」という人なら、途中で付き合いきれなくなってしまう人が続出するのではなかろうか。正直、わざとヘンテコな演奏をしているとしか思えない。
しかし、文句なく個性的な演奏で、手垢のついた感のあるベートーヴェンの3大ソナタから、新たな魅力を引き出したとも言える。そういう意味では意義深い録音だし、ベートーヴェンのピアノソナタを愛する人なら一度は聴くべき録音ではないだろうか。