サッカーワールドカップドイツ大会を機に、もっと親しもうドイツクラシック
サッカーワールドカップドイツ大会が開催される。これを機に、スポーツだけでなく音楽にも親しんでみよう。聞こえてくる音楽から、ドイツ人の気質を知ることもできるかもしれない。ドイツには音楽史上に名を残した作曲が多く輩出している。シューマン、メンデルソゾーン、ワーグナー・・・。誰でも一度は耳にしたことがある名前だろう。でもドイツの三大作曲家といえば、彼らに白羽の矢が立つ。バッハ、ベートーヴェンそしてブラームスである。18世紀はじめに活躍したバッハは、音楽の父とも言われ、対位法を確立しバロック音楽の頂点にたつ作曲家。「運命交響曲」で有名なベートーヴェンは、18世紀後半から19世紀にかけて活躍した。25歳の時から耳の病気に悩まされ始め、一時はハイリゲンシュタットで遺書を書くほどになった。自殺は思いとどまったものの、ついに耳はまったく聞こえなくなる。ただそんな中で作曲された楽曲は、どれも名曲と呼ばれるものばかりとなった。高い精神性と頑迷さ。それがベートーヴェンだ。もう一人のブラームスは、19世紀に活躍した、ドイツロマン派音楽の巨匠である。ロマンチストでありながら気難しい、言ってみれば損な性格の持ち主だった。ドイツ三大Bと呼ばれる彼ら3人の音楽を、今宵ゆっくり聴いてみてはいかがだろうか。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲

バッハ:ゴルトベルク変奏曲

人気ランキング : 7,186位
定価 : ¥ 2,243
販売元 : ユニバーサルクラシック
発売日 : 1992-08-26

価格:¥ 1,907
納期:通常24時間以内に発送
オススメ度

 本作は89年のキースの作品。まず「よくこの作品を選んだなぁ!」と感嘆しますよね。グールドがバッハ演奏の世界に残したトラウマのようなものって相当に根が深く、バッハの作品を聴く時にまずグールドと無意識のうちに比較してしまうという人は圧倒的多数派でしょう(キースのファンは除く)。世界でバッハを聴く9割の人は「グールド以外のゴールトベルクなんか要らない」と思ってそうですしね。ので、とりあえずその勇気に★ 個人的にはキースからクラシックに入っていったのでそうしたことはなく、またグールドとの冷静な比較は最近出来るようになったんですけど。
 キースのクラシック作品に共通して言えることですが、どれもジャズの世界で得た名声とか表現方法とかそういうものを殆ど感じさせないと思います。グールドの演奏は「グールドベルク」と揶揄したくなるほど演奏者の個性が強いですが、キースの演奏はあくまでもバッハの作品の美しさに焦点を当てており、とにかく敬虔に、思慮深く弾いている様子が目に浮かびます。またピアノのときとは違いますがやはりタッチがきれい。他の演奏者と響きが違うんですね。これは一体どういうことなんでしょ?グールドが歯切れよく溌剌と弾くところをウェットに弾かれたりすると「なんだかなぁ」という気もするんですが、ま、これもありでしょうか?いずれにせよ、チェンバロの「ゴルトベルク変奏曲」を聴きたくなった時とか、眠る前にゴールトベルクを聴きたくなった時とかにいい作品だと思います。

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キースは、終始、遅めのテンポをキープしている。それが効果的だ。第13変奏のバフ・ストップは和楽器の箏を思わせ、そして、この第13は、なんとなく日本風を感じる。そして、八ヶ岳高原の空気を、突然感じさせてくれた。
後半、キースの演奏は、それぞれの変奏の性格をよくとらえ、うまいのだが、若干盛り上がりに欠け、もっと大人しくない演奏の方がよかったんじゃないかと、いえなくもない。「序曲」にはじまり、民謡風の「クォドリベト」に終わる後半15の変奏は、聴く方も演奏する方も難しいと思う。ただ、計算しない演奏はキースらしい。

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ゴールトベルク変奏曲は本CDの他にグールドのピアノ版を持っています。例えば最初の<アリア>では、どちらも同じようなゆったりとしたテンポ運びをしていますが、グールドの演奏が静かな中にも緊張感が満ちているのに対し、ジャレットはリラックスした感を受けました。楽器の音色も透明感があり、朝の通勤電車の中では好んでジャレットの方を聴きます。

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 キース・ジャレットのクラシックではゴルドベルグをよく聴いてきた。ジャズ風に弾いているわけではなく、むしろオーソドックスなバッハと言えよう。ただ、この演奏には自然で豊かな音楽の流れがある。もちろん、録音のすばらしさや楽器の音色の美しさも魅力的だが、なにより音楽に限りなく浸透する喜びが、この演奏からは感じられるのだ。
 感性をフルに生かして、その曲の中にどこまでも深く入り込みつつも、バッハの音楽自体が持つ客観的な構造を尊重して奏でてゆく。その両要素をそれぞれどれだけ充分に実現させながら、自らの演奏の中で統合してゆくか。そして、その喜びを聴き手の「ハート」のなかに伝え、再現しうるか。ジャンルにこだわった論議の空しさを痛感させるキースの「音楽」であり、バッハのゴルドベルグである。

オススメ度

キースのクラシックものの批評を読むと、半分以上はジャズピアニストとしてどうクラシックを表現しているかー是非、という論旨が多いのであるが、このCDを聴いて、はっきり言って他の人のゴルトベルクにしろバッハのピアノ曲にしろ中学校の音楽の授業以来聴いたことがないので、どこが「通常のバッハ」らしくあり、はたまたらしくないのか全くわからないのである。従ってバッハだの、クラシックだのはさておき、このCDはいい。八ヶ岳、という感じがする。キースという人はアコースティックにこだわる音楽家であり、録音した場所や季節を強く感じさせる演奏家だけど、この高い天井から降ってくるようなハープシコードのキラキラはやはり高原のきりきりに冷え澄んだ空気を切り取ったのかしらん。とはいえ、真冬の録音なのに夏の涼しい風が吹き抜ける白樺林という感じで、この暑い季節にもおすすめだ。
それにしても、例えば28番の執拗なバンプ、25などに現れるクラヴィコード風スライド音などまさにキース!キースミュージックそのものを彷彿とさせるものであり、バッハがキースなのか?キースがバッハなのか?謎めくばかりである。


 
 
 
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このページの情報は
2006年4月5日16時29分
時点のものです。

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